研究課題
寒冷刺激モデル、間質性膀胱炎モデルを使用して、TRPM8アゴニスト、アンタゴニストが排尿に及ぼす効果について検討した。すべての実験には250-270gの雌SDラットを用いた。膀胱内にTRPV1アゴニストであるレジニフィラトキシン(RTx)を注入したのち、ホルマリンに灌流固定を行い、脊髄L6を摘出した。免疫染色にてc-fos陽性細胞を観察した。また、灌流固定せずに脊髄L6を摘出し、RT-PCRにてc-fosmRNAを定量した。免疫染色、RT-PCRいずれの場合も有意にc-fosの増加を認めた。次に、寒冷刺激(4℃冷蔵庫内に20分)を与えたラットの脊髄L6を同様に摘出し、免疫染色、RT-PCRを行った。C-fosは増加傾向を認めたが、統計学的に有意差を認めなかった。次いで、TRPM8アゴニストであるメンソールをラットの腰から臀部に塗布したのちに同様の実験を行った。免疫染色、RT-PCRいずれにおいても有意に脊髄L6のc-fosは増加していた。以前我々は、ラットに寒冷刺激を与えても、メンソールを塗布しても、いずれの場合も膀胱内圧測定にて排尿間隔の低下(頻尿)を呈することを確認している。寒冷刺激による頻尿がラット皮膚TRPM8を介しての排尿であると考察した。今回、寒冷刺激においては脊髄L6のc-fosに有意差は認められなかった。一方で、メンソール刺激においてはc-fosの増加を認めた。いずれの場合もラットは頻尿を呈するが、その作用機序に違いが存在する可能性が示唆された。
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