当研究では低活動膀胱モデルラットに脂肪由来幹細胞を膀胱壁内に局所注入し、膀胱における組織血流の増加ならびに脂肪幹細胞の平滑筋、血管内皮、神経への分化を確認した。さらに機能学的検討により有意な膀胱機能の改善(残尿の低下、排尿効率の改善)を確認し、電気刺激、薬物刺激に対する有意な膀胱の収縮を確認した。 以上の結果より、低活動膀胱モデルにおける脂肪幹細胞の局所注入は、平滑筋分化を促進し、また機能学的側面からも膀胱機能の改善が得られており、今後の自己脂肪由来・非培養幹細胞の膀胱内注入療法の低活動膀胱の治療選択肢としての可能性が見出された。
|