われわれは新規臓器保存液であるSS-Ⅱを開発、マウス異所性心移植モデルにおいて、臓器冷保存後の虚血再灌流障害に伴う酸化ストレスを軽減し、移植心生着率を改善させることを報告した。本研究ではラット腎移植モデルでSS-Ⅱの有用性を検証した。腎移植で一般的に用いられているUW solution、もしくはSS-Ⅱに24時間冷保存したドナー腎を、レシピエントラットに同所性に移植した。UW群の75%のラットが60日以上生存した一方、SS-Ⅱ群は14日以内に全てのラットが死亡した。腎臓用にSS-Ⅱの電解質濃度の調整を重ね、移植実験を進めたが、本研究期間中にUWの腎生着率を凌ぐ新たな臓器保存液は得られなかった。
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