研究課題/領域番号 |
15K20090
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
古川 順也 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20448179)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Gli / sunitinib / resistance |
研究実績の概要 |
淡明細胞型腎細胞癌のGliの発現レベルとスニチニブの治療効果の関連を確認するために、2008年~2011年にスニチニブを導入した転移性腎細胞癌症例のうち原発巣の摘除を行い組織学的に淡明細胞癌の診断を得た33例の摘除標本のパラフィン包埋組織を用い、免疫組織染色の手法を用い腫瘍組織におけるGli2発現レベルの評価を行い、各臨床パラメータとスニチニブの奏功期間との相関を検討した。Cox比例ハザードモデルを用いた生存分析では、原発巣のGli2高発現は有意な独立した予後不良因子であることが確認できた。 次に、ヒト腎細胞癌株であるACHNを低濃度のスニチニブより開始し徐々に高濃度となるように継代培養を行いスニチニブ抵抗性ACHN細胞株を樹立し、母細胞株と比較しスニチニブ治療によりGli2蛋白発現レベルが低下しないことを確認することができた。これらの結果より、腎細胞癌におけるGli2発現レベルがスニチニブ治療抵抗性の獲得と関連している可能性が示唆できる結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Gliを標的とするアンチセンスオリゴの至適濃度や細胞へのトランスフェクション条件の設定に時間を要するため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究のeffortの割合をふやし、本実験で用いるアンチセンスオリゴのトランスフェクションの至適条件を早急に見いだせば後の実験計画に支障が生じないと考える。
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