研究実績の概要 |
進行腎細胞癌に対するHedgehogシグナルに対する新規標的治療の確立および既存の分子標的治療の薬剤抵抗性の克服に関する新たな知見を得ることを目標とし,腎細胞癌に関しては sunitinib治療を行った転移性腎細胞癌のうち淡明細胞型腎細胞癌の原発巣の摘出標本における様々なチロシンキナーゼ阻害薬に関連する標的分子やHedgehogシグナルに関連する分子のタンパク発現レベルを免疫組織学的手法により評価を行なった。その結果、Gli2蛋白発現レベルと癌特異的生存の相関を認め,Gli2蛋白発現レベルが治療抵抗性を予測するバイオマーカーとなることを発見し、更にはヒト腎細胞癌株を用いたsunitinib治療抵抗性の細胞株を樹立し、sunitinib治療抵抗性の腎細胞癌細胞株では親株と比較しsunitinib治療後においてもGli2発現レベルが低下することなく維持されていた。このことよりGli2がsunitinib治療抵抗性を克服する新規標的治療の可能性を示唆しており、本研究結果を英文誌に発表した. GLI2 expression levels in radical nephrectomy specimens as a predictor of disease progression in patients with metastatic clear cell renal cell carcinoma following treatment with sunitinib. Furukawa J, Miyake H, Fujisawa M. Mol Clin Oncol. 2016 Sep;5(3):186-192.
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