研究課題/領域番号 |
15K20094
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
正路 晃一 広島大学, 大学病院, 助教 (90565805)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 前立腺癌 / FGFファミリー / CAST法 |
研究実績の概要 |
①CAST libraryを比較し、膜蛋白であるProtein Tyrosine Phosphatase of Regenerating Liver 1 (PRL1)に注目し、根治的前立腺全摘除術組織標本および前立腺癌細胞株を用いて解析を行った。組織標本においてPRL1は小胞体に局在し、正常前立腺組織と比較して前立腺癌組織で高発現しており、特に去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)や高悪性度症例で高発現していた。またPRL1の発現した前立腺癌は有意に予後不良であった。前立腺癌細胞株においてPRL1は前立腺癌の増殖と遊走、浸潤に関与していた。 ②Fibroblast Growth Factor(FGF)-FGF receptor (FGFR)ファミリーについて前立腺癌組織における発現解析を進めた。これらのうち、内分泌性FGFサブファミリーであるFGF19に注目し、根治的前立腺全摘除術組織標本および患者血清を用いて解析を行った。組織標本におけるFGF19陽性群は陰性群に比較してPSA再発率が有意に高く、多変量解析でFGF19陽性はPSA再発の独立した予測因子であった。患者血清において血中FGF19濃度は高悪性度症例で有意に高値であった。 ③去勢抵抗性前立腺癌となった段階での前立腺組織(針生検)および血清の保存を継続的に行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①CAST libraryを比較し、膜蛋白であるProtein Tyrosine Phosphatase of Regenerating Liver 1 (PRL1)に注目し、根治的前立腺全摘除術組織標本および前立腺癌細胞株を用いて解析を行った。 ②Fibroblast Growth Factor(FGF)-FGF receptor (FGFR)ファミリーについて前立腺癌組織における発現解析を進めた。
|
今後の研究の推進方策 |
CRPCの薬剤耐性にかかわる分子機構におけるFGF-FGFRとその関連分子群について研究し、いくつかの候補分子をピックアップすることができた。今後は臨床検体におけるにおけるそれらの発現解析と臨床経過およびの関連、さらに前立腺癌細胞株への導入もしくはノックダウンによる機能解析を進めていきたい
|