研究課題
①前立腺癌細胞株の薬物療法感受性と遺伝子発現プロファイルの違いの関連について解析、Fibroblast Growth Factor(FGF)-FGF receptor (FGFR)ファミリーおよびその関連分子群を中心に、注目した分子群について臨床検体での解析を進めた。②FGF-FGFRファミリーのうち内分泌性FGFサブファミリーであるFGF19、FGF21、FGF23について、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)症例にお ける血清濃度を測定、非癌症例、ホルモン感受性前立腺癌(HSPC)や腎細胞癌、尿路上皮癌症例における血清濃度と比較した。FGF19 は、非癌症例、HSPC症例に比較してCRPC症例において有意に高値であり、病勢進行と血清濃度との関連は腎細胞癌および尿路上皮癌症 例に比較して著明にみられた。また、薬物療法への奏効とFGF19濃度の低下との間に関連が示唆された。③CAST libraryの解析を経て注目した膜蛋白であるProtein Tyrosine Phosphatase of Regenerating Liver 1 (PRL1)について臨床検 体をさらに追加して解析を進めた。PRL1は根治的前立腺全摘除術組織標本での解析において再発症例での高発現を認め、また、CRPCや 高悪性度症例での高発現を認めた。④本研究において、それぞれの癌種における臨床病理学的因子および血液生化学所見とFGFファミリー血清濃度の関連についても解析し、その過程で新たに得られた臨床病理学的背景と予後との関連について論文発表した。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Oncol Lett.
巻: 14 ページ: 299-305
10.3892/ol.2017.6119.