ホルマリン誘発性前立腺炎モデルラットを用いて、前立腺肥大症の治療薬として応用されているデュタステリドの前立腺の炎症と、過活動膀胱症状に対する効果を検討した。ホルマリン誘発性前立腺炎モデルラットはコントロールと比較し、前立腺組織の炎症所見と頻尿を呈した。一方でデュタステリドを4週間連日経口投与した前立腺モデルラットは、プラセボ群と比較し、前立腺組織の炎症は軽度にとどまり、排尿間隔も有意に延長していた。さらにデュタステリド投与群の前立腺において、エストロゲンレセプターβの発現が有意に増大していた。デュタステリドはエストロゲン受容体βを介して、前立腺において抗炎症作用のあることが示唆された。
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