私たちはHeat shock protein 90(HSP90)が腎移植後拒絶反応時のバイオマーカーの一つになる可能性を見い出すとともに、拒絶反応発症に関与している事を明らかにした。本研究は同種臓器移植における拒絶反応において、HSP90 阻害剤が新規治療薬となり得るか検証することが目的である。HSP90 阻害剤である17DMAGの投与により、マウス皮膚、心移植において対照群と比較し有意に移植片の生着が延長した。移植片における細胞浸潤、サイトカイン産生も有意に低下し、ドナー特異的免疫応答も抑制されていた。この結果からHSP90は移植片拒絶反応の新たな治療標的となり得ると考えられた。
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