研究課題
本研究の目的は、ヒト腎細胞がんの肺転移における分子機構を解明し、治療標的分子の同定を行うことである。平成27年度(前年度)において、ラット腎細胞がん株の肺高転移株を樹立し、その親株と比較において肺転移能及びin vitro3次元培養における高度浸潤能の亢進を見出しており、3次元培養サンプルを用いて親株と高転移株の網羅的遺伝子発現解析を行い、特異的変動遺伝子セットリストを作成した。平成28年度(最終年度)では、親株と比較して高転移株で発現亢進していた遺伝子XとYに着目し、in vitroにおける機能解析を行った。遺伝子XとYをsiRNAを用いてノックダウンさせた結果、細胞増殖の有意な抑制及び、細胞接着の低下がみとめれた。さらに3次元培養における高度浸潤能の抑制がみとめられた。リン酸化チロシンに着目し、リン酸化チロシン認識抗体である4G10でWBを行った結果、いくつものリン酸化バンドの減少が認められた。以上の結果より、本研究により遺伝子XとYは、腎細胞がん肺転移に寄与する分子である可能性が示唆された。
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