男子尿道炎は最も患者数の多い性感染症の一つである。近年、アデノウイルス(Ad)の関与が指摘されているが、病原性等について不明な点が多い。そこで本研究では、尿道炎患者と尿道炎症状のないヒトの初尿中の病原体を網羅的に比較解析することで、Ad性尿道炎の存在を調べた。さらに、Ad性尿道炎患者の症状など詳細も検討し、Ad性尿道炎の特徴も解析した。約400症例の尿道炎患者と約120例の無症状者を解析した結果、尿道炎患者群で有意にAdが検出された。また、分離同定されたAd型が流行性角結膜炎関連型と一致すること、尿道炎症状が消失後も長期間にわたって、感染可能なAdが尿中に大量に排出されていることが分かった。
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