本研究の目的は、子宮内膜症とNK細胞の機能(活性性レセプターNCR、サイトカイン産生)との関連を明らかにし、子宮内膜症の病態を解明することである。 子宮内膜症の腹水では、NCRのひとつであるNKp46発現の低下、炎症性サイトカインIFN-γ、TNF-αの増加がみられた。すなわち、NK細胞の細胞傷害性が低下することで腹腔内の内膜症性細胞が除去できず、炎症が助長されていると考えられた。その病態は、子宮内膜症の治療薬である低用量エストロゲンプロゲスチンにより改善されることが示唆された。また、子宮内膜症合併不妊症での子宮内膜NK細胞NCRは変化がなく、子宮内膜の着床能低下は関連しないと考えられた。
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