本研究の最終目標は卵巣癌、子宮体癌を中心とした婦人科癌におけるタンパク質メチル化を標的とした新規分子標的治療薬の開発である。まず子宮体癌について検討を行った所、細胞株、臨床検体においてヒストンメチル化酵素EZH2の発現の亢進が認められた。またEZH2のノックダウンを行うと子宮体癌細胞株の増殖抑制、及びアポトーシス 作用が認められ、EZH2選択的阻害剤を使用すると、ノックダウン時と同様な結果が得られた。以上の結果から、子宮体癌においてヒストンメチル化EZH2高発現は増殖促進に深く関与しており、同阻害剤が新たな分子標的薬となる可能性が示された。
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