腹腔鏡手術の際に、患者腹腔内貯留液を回収した。 まずは、腹腔内の樹状細胞のうち、他のMDC2やPDCなどのサブセットに比べて圧倒的に多く存在しているMDC1を、フローサイトメータ―を用いて、評価をした。表面抗原はBDCA1とCD19をもちいて、BDCA1陽性CD19陰性細胞としてMDC1を同定した。 先行研究では、子宮内膜症患者のMDC1の表面抗原を解析するとCD206陽性細胞の割合が、非子宮内膜症患者に比べて多いことが示されている。 そのため、CD206陽性樹状細胞と、陰性樹状細胞をそれぞれフローサイトメトリーのセルソーターをもちいて単離した。この細胞を、単純培養した後に、mRNAを回収して、RT-PCRにて定量的評価を行った。その結果、まだ検体数が少ない為有意差はついていないが、IL4やIL6について、CD206陽性細胞のほうが発現が高いという結果を得ている。 また、樹状細胞のCD206以外の、レクチン型パターン認識受容体について、フローサイトメトリーにて発現強度の比較を行った。これに関しては、DEC205、CD209、Mincle-1などいくつかの受容体について、発現強度の比較を行うことができたが、CD206陽性細胞と陰性細胞について、発現強度に明らかな違いは見られなかった。螢光色素の干渉の影響もあるかと考えられたため、3種類の螢光色素を組み合わせて再度検討を行ったが、やはり明らかな違いは認められなかった。
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