研究課題/領域番号 |
15K20132
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石黒 竜也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80625690)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | がん幹細胞 / 卵巣がん / 子宮体がん |
研究実績の概要 |
これまでに子宮体がん臨床検体由来のスフェロイド細胞5種の樹立に成功し,それぞれのがん幹細胞性質の確認を行った。すなわち造腫瘍能や幹細胞因子の発現,分化能などである。これら子宮体がんスフェロイド細胞は,それぞれ異なる幹細胞因子の発現を呈していた。また5種の由来検体は類内膜腺癌のほかにも明細胞腺癌や癌肉腫などその組織型は多岐にわたっている。 卵巣癌幹細胞とは異なる培養下での細胞増殖が確認できることから,卵巣癌・子宮体がん幹細胞それぞれの制御メカニズムを解明に向けた取り組みを行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
がん幹細胞性質をもつ子宮体がんスフェロイド細胞の樹立に時間を要し,十分な生化学的特性の解析への発展に至らなかった。上記理由として,臨床検体由来の細胞樹立には高悪性度腫瘍症例からの樹立が成功率が高い傾向にある中,取得可能な検体が低悪性度症例が多かったことが考えられる。 子宮体がん幹細胞の特異マーカーが卵巣癌幹細胞のマーカーと異なることから,子宮体がん幹細胞の同定確認を行う必要となった。
|
今後の研究の推進方策 |
子宮体がんスフェロイド細胞中の癌幹細胞性質を有する細胞の抽出に向け,特異的マーカーの探索を行っている。ここで検出した幹細胞マーカーを指標として,その発現に寄与する因子をアレイ解析により探索し,子宮体がん幹細胞に重要なシグナル解析を行う。また同因子の卵巣癌幹細胞における意義を卵巣癌スフェロイド細胞を用いて検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際学会などへの参加を見送ったために余剰額が生じた。翌年度での使用を予定する。
|
次年度使用額の使用計画 |
当初計画した平成28年度交付助成金とあわせて,抗体・細胞培養培地などの実験試薬の購入を予定する。また研究成果発表のための学会参加の際の旅費として使用する場合もある。
|