卵巣がんの難治性病態であるがん性腹膜炎における腹腔内免疫環境とがん細胞の相互作用、さらには抗がん剤治療が腹腔内環境及びがんの多様性に及ぼす影響の2点の課題を解明することを目的として研究を行った。 マウス卵巣がん細胞株ID8を基に複数のsub-clone細胞株(高腹腔内播種転移能株ID8-T6、抗がん剤耐性株、VEGF及びIL-33強制発現株)を作製した。さらに、特徴の異なる2種類の細胞亜株を用いて多様性に介入しうる腹腔内播種モデルを作製した。 卵巣がんのがん性腹膜炎病態において、がん性腹水中のIL-33は腫瘍内のMDSC誘導を阻害することで腫瘍免疫を促進し播種進行を抑制していると考えられた。
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