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2015 年度 実施状況報告書

早産ならびに胎児炎症反応症候群の予防を目的とした胎盤絨毛マクロファージの解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K20150
研究機関熊本大学

研究代表者

山口 宗影  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (20626535)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード細胞・培養 / 胎盤 / 早産 / マクロファージ / スカベンジャー受容体 / 絨毛膜羊膜炎 / 臍帯炎 / 脳室周囲白質軟化症
研究実績の概要

炎症の制御に関わるスカベンジャー受容体として知られる抗CD163抗体ならびに抗CD204抗体を用いて、胎盤絨毛の免疫組織化学染色を行った。さらにキーエンス社のオールインワン蛍光顕微鏡のBZ-Ⅱ解析アプリケーションを用いて、絨毛間質面積あたりのそれぞれの陽性細胞数を解析し、胎盤病理や児の予後との関連を調べた。
2005年から2014年までにおける妊娠31週未満の陣痛発来あるいは前期破水を伴った早産症例40例を検討した。絨毛間質の平均CD163ならびにCD204陽性細胞数は、それぞれ3.37/1,000μm2と1.15/10,000μm2であった。分娩週数とCD163陽性細胞数との間には妊娠27週以前で負の相関が認められた(r=-0.58、P<0.01)。絨毛膜羊膜炎(CAM)群では、非CAM群と比較して、有意にCD204陽性細胞数が多かった(1.42 vs 0.51、P=0.02)。FIRSに関連した児の合併症の有無とCD163ならびにCD204の陽性細胞数に有意差は認められなかったが、CD163陽性細胞数を27週以降の21例について検討すると、脳室周囲白質軟化症(PVL)群と非PVL群においてCD163陽性細胞数に有意差が認められた(1.70 vs 2.80、P=0.03)。
早産の胎盤絨毛における抗炎症性のマクロファージ(Mφ)数の解析の結果、CAM症例でCD204陽性細胞数が多かった。27週以降の児のPVL合併症例ではCD163陽性細胞数が少なく、胎盤絨毛間質の炎症性Mφの存在とPVLの関連が示唆された。これらの関連を明らかにすることは、早産の機序、さらにFIRSの発症機構の解明の手がかりとなる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

炎症の制御に関わるスカベンジャー受容体として知られる抗CD163抗体ならびに抗CD204抗体を用いて、胎盤絨毛の免疫組織化学染色を行った。さらにキーエンス社のオールインワン蛍光顕微鏡のBZ-Ⅱ解析アプリケーションを用いて、絨毛間質面積あたりのそれぞれの陽性細胞数を解析し、胎盤病理や児の予後との関連を調べた。
2005年から2014年までにおける妊娠31週未満の陣痛発来あるいは前期破水を伴った早産症例40例を検討した。絨毛間質の平均CD163ならびにCD204陽性細胞数は、それぞれ3.37/1,000μm2と1.15/10,000μm2であった。分娩週数とCD163陽性細胞数との間には妊娠27週以前で負の相関が認められた(r=-0.58、P<0.01)。絨毛膜羊膜炎(CAM)群では、非CAM群と比較して、有意にCD204陽性細胞数が多かった(1.42 vs 0.51、P=0.02)。FIRSに関連した児の合併症の有無とCD163ならびにCD204の陽性細胞数に有意差は認められなかったが、CD163陽性細胞数を27週以降の21例について検討すると、PVL群と非PVL群においてCD163陽性細胞数に有意差が認められた(1.70 vs 2.80、P=0.03)。

今後の研究の推進方策

今後は、胎盤の免疫組織化学の評価と早産児の合併症や予後との関連を検討する。胎児炎症反応症候群の症例で特異的に発現すると考えられる膜受容体、サイトカイン、サイトカイン受容体、ケモカイン、ケモカイン受容体の発現の検討を行う。
当初は、汎マクロファージ数をCD68の発現で評価しようと試みたが、発現の評価が困難であるため、Iba-1の発現を用いて評価するように変更した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 早産ならびに胎児炎症反応症候群の発症機構解明を目的とした胎盤絨毛マクロファージの解析2016

    • 著者名/発表者名
      山口宗影
    • 学会等名
      第52回日本周産期・新生児医学会学術集会
    • 発表場所
      富山県富山市
    • 年月日
      2016-07-16 – 2016-07-18

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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