不育症の病態解明と流産を早期に予知する非侵襲的診断法の確立を目的とし、不育症患者の妊娠初期子宮頸管粘液(CM)及び流産後脱落膜中のIL-33とその活性制御に関わるカテプシンG(CTSG)、ST2の発現量を測定し、妊娠予後及び胎児染色体異常の有無との関連を検討した。結果、CM中のCTSGは流産群、特に胎児染色体正常群で有意に高値であった。また生児獲得群でみられるIL-33とCTSG、St2との正、負の相関関係が流産群では認められなかった。IL-33、CTSG、St2バランスの異常が不育症病態に関与し、またそれらのアンバランスが妊娠初期のCMで検出可能であり流産の予測因子になる可能性が示唆された。
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