のちに妊娠高血圧症候群(HDP)または胎児発育不全(FGR)を発症する症例では妊娠8-11週の時点ですでに母体血中cell-free RNAレベルで変化を生じているのかを確認すること、さらには胎盤機能不全の機序解明につながる知見を得ることを目的に本研究を実施した。妊娠8-11週の母体血からcell-free RNAを抽出し血管新生関連因子を含む6種の遺伝子を対象にHDP発症群・FGR発症群と正常経過群を比較したところ、FGR発症群ではHOXC4のcell-free RNA濃度が有意に高値であった。FGRの発症機序解明や発症予測法の開発においてHOXC4は着目すべき遺伝子の1つと考えられた。
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