産科危機的出血に施行する、液体塞栓物質であるNBCA(n-butyl cyanoacrylate)を用いた経カテーテル的動脈塞栓術の安全性を検証した。メスの4歳2頭に、NBCAを用いて両側の内腸骨動脈から子宮動脈を塞栓、経時的な造影CT検査で子宮血流の変化を観察し、摘出した子宮と血管を評価した。 2頭ともに塞栓後1か月で動脈相での造影効果を認めた。また、塞栓後1か月で摘出した内腸骨動脈と子宮動脈、子宮の組織学的検査では、子宮動脈内にNBCAとともに再疎通の像を認めた。さらに、子宮には明らかな壊死像は認めなかった。NBCAによる子宮動脈塞栓術は塞栓後も血流が確保され、安全であることが示唆された。
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