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2016 年度 実施状況報告書

卵巣黄体機能低下とCalpastatinの関係

研究課題

研究課題/領域番号 15K20167
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

川島 一公  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究員 (40633946)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードカルパスタチン / カルシウム / 卵巣 / 髄質 / 生殖細胞 / PRDM1-Cre
研究実績の概要

細胞内の酵素であるカルパインは、細胞骨格やその他のタンパク質を分解するカルシウム依存性の酵素である。カルパイン抑制剤を用いた研究によって、卵子を内包する卵胞内の顆粒膜細胞が、エストロゲンの合成酵素Cyp19a1陽性細胞からプロジェステロン合成である3bHSD陽性細胞へと形質変化することが明らかとなっている。そこで、申請者は内因性のカルパイン抑制タンパク質であるカルパスタチンを過剰発現させることで、明らかになると考え、マウスの作出を試みたが、カルパスタチンの安定発現を誘起できずにいる。そこで、視点を変え、カルパインの活性を誘起する上流因子であるカルシウムシグナルによって色素が変化するCameleon floxマウスを導入して、カルシウムの変化を定量し、加齢による変化をとらえる試験を遂行することにした。
卵巣の各組織をCamelonマウスによる細胞内カルシウム変化を見るため、全身、あるいは生殖細胞特異的に発現するPRDM1-Creを用いて組織切片を観察したところ、卵子以外の卵巣髄質部分にPRDM1陽性細胞が点在している新しい事実が明らかとなった。現在、このPRDM1陽性細胞を回収し、その細胞の機能を解析している。
一方、同時に野生型の成体マウス卵巣を回収して始原生殖細胞から減数分裂前遺伝子であるDAZL陽性細胞を出現させるサイトカインで培養したところ、成体卵巣構成細胞の中からDAZL陽性細胞が出現し、SSEA1、CD61陽性細胞である別の試験との関連が認められたことから、この未知の細胞と、成体卵巣の髄質内にあるPRDM1-Cre Cameleon陽性細胞の関連を現在調べている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

カルパインの内因性抑制因子であるカルパスタチンの過剰発現細胞の作出に失敗した。この原因は、転写開始点が複数存在するスプライシング変異体を多く持つCyp19a1プロモータに付与したことが原因であると考えらた。
そこで、加齢マウスと、若齢マウスのカルパイン活性を誘起する上流の細胞内カルシウムを傾向で定量出来るCameleonマウスを用いて、新たな試験を開始した。

今後の研究の推進方策

Cameleon、PRDM-1Creマウスは卵巣において、生殖細胞のみに発現すると考えられる。その陽性細胞は、卵巣の本来卵子が存在しない髄質部分に存在していたことから、これらの細胞を用いて生理学的な解析を行う。
また、同時に野生型の成体マウス卵巣を回収して始原生殖細胞から減数分裂前遺伝子であるDAZL陽性細胞を出現させるサイトカインで培養したところ、成体卵巣構成細胞の中からDAZL陽性細胞が出現し、SSEA1、CD61陽性細胞であったことから、この細胞とPRDM1-Cre Cameleon陽性細胞の関連を現在調べている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Disorganization of the germ cell pool leads to primary ovarian insufficiency.2017

    • 著者名/発表者名
      Kawashima I, Kawamura K
    • 雑誌名

      Reproduction

      巻: 153 ページ: R205-R213

    • DOI

      10.1530/REP-17-0015.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neuregulin 1 Regulates Proliferation of Leydig Cells to Support Spermatogenesis and Sexual Behavior in Adult Mice.2016

    • 著者名/発表者名
      Umehara T, Kawashima I, Kawai T, Hoshino Y, Morohashi KI, Shima Y, Zeng W, Richards JS, Shimada M.
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 157 ページ: 4899-4913

    • DOI

      10.1210/en.2016-1478

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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