高齢の不妊患者の生殖補助医療後の胚では、多核割球が高頻度に形成され妊孕性低下の原因となっている。多核割球の形成機序を解明するために以下の二つの研究に着目した。①コンドロイチン硫酸(CS)鎖の欠損胚では多核割球が形成され、さらに生体内においても骨格筋の分化過程でCS鎖の減少が多核化・融合の過程に重要である。②加齢に伴うCS鎖の減少が、加齢疾患の原因となっている。本研究では、以上の二つの研究を基盤とし融合することで、加齢によるCS鎖の減少が多核割球形成の原因となっているという仮説を提唱し、検証した。その結果、CS鎖の減少は、細胞分裂の最終段階の不全を引き起こすことを明らかにした。
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