研究課題
若手研究(B)
頭頸部癌の臨床サンプルはこれまで計画的に採取保存されてきておらず、それが、トランスレーショナルリサーチの足かせの1つとなっていた。そこで、本研究では、手術検体の採取・保存を積極的に行ってきた。実際、本申請研究期間内に300例の頭頸部癌組織検体、20例の白斑症または紅斑症組織検体および正常粘膜とそれらの血液の採取保存に成功した。一方で、BACH1という転写因子が頭頸部癌の生存に有意働いていることを見出し、BACH1によって制御されている因子が予後マーカーの1つに成り得る可能性を示した
頭頸部癌
耳鼻咽喉・頭頸部外科医師の一人として、頭頸部癌に関する基礎データが他の癌と比べ少ないことを感じている。その理由の一つであると考えられる検体数の確保を本研究では進めることができた。これら検体を使用することによって、今後多くの研究を迅速に行うことできる。また、本研究から頭頸部癌の生存にBACH1が関わることを初めて見出した。