本研究により腺様嚢胞癌のPDX(patient-derived xenograft)モデル3例が樹立され、うち1例は肺転移を伴う遠隔転移モデルとなった。患者正常血液、患者腫瘍、PDX(皮下)、PDX(肺転移)のゲノムを比較検討することにより、転移性サブクローンに特徴的な遺伝子変異と発現変化を多数抽出した。転移を促進する因子を検索するため、経尾静脈投与や手術操作により遠隔転移が促進されるかどうかを検証したが、有意な結果は得られなかった。新規融合遺伝子の有無も検索したが、発がんに関連しうるものは同定できなかった。本研究は米国カリフォルニア大学サンディエゴ校との国際共同研究に発展した。
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