研究課題/領域番号 |
15K20195
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
伊藤 有未 福井大学, 医学部附属病院, 特命助教 (00646458)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | CDKN3 / タキソール耐性 |
研究実績の概要 |
タキソール耐性咽頭癌細胞株T3M-1TXにおいてCDKN3の発現がタキソール刺激後に誘導されることをリアルタイムPCRにて確認した。T3M1-Txにおいてタキソール刺激後に細胞周期解析を行ったところ、コントロールと比較しG2M期に誘導される細胞の割合が有意に減少しており、細胞が早期のM期脱出していること、タキソール刺激がG1期停止に関与していることが分かった。 タキソール耐性株T3M1-Txにおいて、siRNAを用いてCDKN3を抑制できることをリアルタイムPCRで確認した。このsiRNAを用いてT3M1-Tx株においてCDKN3を抑制すると、タキソール耐性が減弱し、アポトーシスに陥る細胞数が増加することがフローサイトメトリーにて確認できた。MTTアッセイにおいても同様にsiRNAでCDKN3を抑制すると、タキソール耐性が減弱し、細胞生存率が低下することが確認できた。 現在、T3M1以外の細胞株における耐性株の作成を現在行っている。耐性学得される前に細胞死や細胞が変形してしまう事象が起こり、これを克服すベくタキソールの投与量をごく少量ずつ、時間をかけて増量していくという方法を試みている。また、本研究の課題についてT3M1-Tx株においてタキソール耐性が獲得されているので、タキソテール(ドセタキセル)に対しても耐性が獲得されているのかという新たな課題を追加し、研究をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
複数の癌細胞株におけるタキソール耐性株の作成において、耐性が得られず細胞死したり細胞が変形したりする事象が生じたため時間をかけて作成し直しており、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
複数種のタキソール耐性株作成においては作成困難な状況があり、工夫して作成中であるが遂行できない可能性もある。 タキソールだけでなく、同じタキサン系であるタキソテールにもT3M1-Txは交叉耐性があるのかという新たな課題を追加して研究をすすめることを考慮している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗がやや遅れているため、物品の購入が予定より少なくなった。また、研究結果解析のためのパソコンの購入を予定しているが、現在選定中である。
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次年度使用額の使用計画 |
CDKN3強制発現株の作成、PCRアレイキット、パソコン、ヌードマウスの購入と維持に必要な物品の購入の購入に使用する予定である。
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