近年問題になっている、好酸球性副鼻腔炎においては自然リンパ球が増加していることが知られている。しかし、その役割については、不明な点が多かった。本研究では、副鼻腔炎の手術で得られた鼻茸の細胞を用いて自然リンパ球の発現と役割について解析した。自然リンパ球は多量のサイトカイン産生を行う事が知られている。鼻茸中の自然リンパ球を分離し、黄色ブドウ球菌の毒素で刺激を行ったところ、好酸球性炎症を増悪させるサイトカインの産生が増強される事が明らかになった。また、同時に好酸球性炎症に対して抑制的に働くサイトカインの産生は抑制される事が明らかになった。
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