本研究では、抗体産生を制御するT細胞サブセットである濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞)について、その数的変動と腸内細菌叢の関連について検証した。抗生物質投与により腸内細菌叢を減少させたマウスにおいては、Tfh分化を調節するIL-2の上昇が認められた。またガラクトース誘導亜急性老化モデルマウスでは、加齢に伴うTfh細胞の有意な増加が認められたが、抗生物質投与群では、Tfhの増加が顕著に抑制される結果となった。マウスでは免疫老化の一つの特徴として、Tfh様細胞が増加することが報告されており、腸内細菌叢が老化に伴い増加するTfh様細胞の分化および数的調節に関与している可能性が示唆された。
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