癌浸潤などにより切除を余儀なくされた気管において、切除により生じた欠損領域を再建するための人工気管が当講座で開発され、臨床に使用されているが、人工気管の内腔が上皮に覆われるまでの長期間要することが課題であった。FGF-2に上皮再生促進効果があることから、本研究ではFGF-2を効果的に人工気管移植領域に供給できるように人工気管を改良することを目的とて研究を行った。人工気管の主要な部品であるコラーゲンスポンジにヘパリンを結合させることで、FGF-2はコラーゲンスポンジに強く保持され、移植した場合に比較的長期間作用でき、上皮再生を促進できることを示唆する結果が本研究より得られた。
|