研究課題/領域番号 |
15K20218
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
矢吹 健一郎 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50722774)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Metabolic Tumor Volume / 頭頸部癌 / FDG-PET |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,頭頸部癌患者の一次治療前に原発巣と頸部リンパ節転移,および遠隔転移の有無を精査する目的で施行されている18F-FDG-PET およびFDG-PET とCT との融合画像であるPET/CT を用いた,病巣体積の三次元計測値であるMetabolic Tumor Volume (MTV) と治療予後との相関を解析することであった. まず,研究計画について当院の研究倫理委員会による承認を得たのちに検討を開始した.はじめは当院で加療を行った頭頸部癌患者全体に対する治療前MTV値の検討を計画していたが,原発巣の部位によって値のばらつきがあることが判明したため,喉頭癌と下咽頭癌に限って検討することとした. 喉頭癌については一次治療として放射線治療を行った症例での検討では,治療前のMTV値は一次治療効果,治療後再発,長期予後のすべてにおいて予測因子となりうると判明したため,英論文発表(PLoS One. 2015 Feb 18;10(2):e0117924.),国際学会発表(第39回日本頭頸部癌学会 第4回アジア頭頸部癌学会(神戸), 2015.6),国内学会のシンポジウムでの発表(第28回 日本喉頭科学会総会・学術総会(大阪),2016, 3,シンポジウム2「局所進行喉頭・下咽頭癌 喉頭温存に向けたcutting edge-」)を行った. 下咽頭癌についても同様の結果が得られたため国内学会発表(第116回日本耳鼻咽喉科学会総会(東京), 2015.5)を行い,現在英論文作成中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、研究目的である治療前のMTV値が治療予後予測因子となりうる可能性が複数の頭頸部癌で示されているため。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、下咽頭癌に関しての研究成果を論文発表する。 また、上記検討では、高MTV症例対して放射線治療を行った場合の治療予後が不良であった。この高MTV症例に対する適切な治療法の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
統計解析ソフトの購入を予定していたが汎用のソフトで代用したため差額相当額が差異として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究補助の人件費および論文掲載料に充てる予定である。
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