本研究では、HF10がHNSCCに対して抗腫瘍ウイルスとして効果があるか検討を行った。2つのヒト由来頭頸部扁平上皮癌細胞株と、1つのマウス由来扁平上皮癌細胞株を用意した。HF10はどの細胞においてもin vitro、in vivoで増殖し、細胞死を誘導した。局所ではHSV感染領域にネクローシスとCD8T細胞が認められた。また、脾臓では顆粒球、CD8T細胞が増加し、腫瘍細胞で刺激したところ、抗腫瘍サイトカインが増加していた。以上の結果からHNSCCに対してHF10は治療効果、抗腫瘍免疫の誘導効果を認め、新しい治療法としての選択候補として示唆された。
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