本研究は声帯の老化に伴う音声障害の臨床的特徴を把握し、病態解明と有効な治療法を探るための礎を築くことを目的としている。 老人性喉頭患者を対象とした臨床研究では、声帯粘膜の3次元構造解析で声帯中央遊離縁を中心とした声帯粘膜の萎縮を確認し、音声機能の特徴を明らかにした。しかし、本疾患に特異的なリスク因子は同定できなかった。 さらに、声帯の老化を再現し、音声に関する実験を行う動物モデルとして、コモンマーモセットが有用か探るため、摘出喉頭の構造解析を行った。ヒトとの構造の類似から、この小型霊長類が声帯の老化を探る動物実験系に活用しうる可能性が示唆された。
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