研究課題
アレルギー性鼻炎は鼻閉・水様性鼻漏・くしゃみを主徴とし、スギ抗原などによる花粉症においては眼の掻痒感も伴う。病理組織学的には好酸球浸潤が主体の炎症増が認められる。近年では生活様式の変化や環境の変化に伴ってアレルギー性疾患が増加し、アレルギー性鼻炎の有病率が年々増加しており、症状が悪化すると日常生活の質が著しく損なわれる。抗アレルギー薬、副腎皮質末ロイド薬の投与もしくはアレルゲンによる免疫療法により改善が見込まれるが、難治性の症例に対しては手術的治療が選択される。本研究では健常者とアレルギー性鼻炎患者より採取した細菌よりDNAを抽出してDNAシーケンスを用い細菌種を同定し、鼻腔の細菌コミュニティーが鼻炎・発症予防に関わるであろう因子を検出することを目的とする。平成27年度は通年性アレルギー性鼻炎患者および健常者の総鼻道を綿棒で擦過して検体を採取することを目標とした。通年性アレルギー性鼻炎患者および健常者の総鼻道を内視鏡で観察しながら滅菌綿棒でその部位を擦過し、DNAの抽出を行い、PCRにて細菌特異的16s eRNA遺伝子を増幅した。PCR産物がきちんと得られたかどうか電気泳動にて確認を行った。また患者より採取した血液より末梢血単核球を採取しCD4陽性細胞をソーティングした。平成28年度はシーケンスを行いCD4陽性細胞からのサイトカイン発現を測定することを目標としていたが、研究代表者が年度半ばに異動となり、その前後で研究活動が全く行えず、研究が遅れていた。平成29年度は後半に入り一部の検体でシーケンスを実施した。平成30年度はシーケンスおよびサイトカイン測定の残りを行い、得られた測定結果について解析を行った。
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Auris Nasus Larynx
巻: 46 ページ: 141-146
10.1016/j.anl.2018.05.007