CMV難聴を含めた内耳性難聴は治療時期を逸すると困難を極める。血液内耳関門が薬物の内耳への進入を阻み、全身投与した薬剤が内耳に到達する割合が悪いことも一因にある。本研究では内耳疾患の新しい治療戦略を追究し、CMV難聴に対するステロイド鼓室内注入療法が安全かつ有効な治療法となるかどうか検証した。必要な薬物をターゲットとなる臓器に効率よく運搬し、体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御するドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System,DDS)の研究が進むことによって、将来的に内耳疾患に対する治療法が変わる可能性を秘めている。
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