神経接着因子として知られている免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)は神経細胞の軸索ガイダンスや特異的シナプス形成において重要な役割を果たしている。本研究では、IgSFに属するDSCAMやSDKがどのように胎児期の内耳および蝸牛神経において発現しているかを遺伝子およびタンパク質レベルで解析した。SDKは蝸牛神経のみに発現していたが、DSCAMは有毛細胞にもMyosin Vllaと共発現していた。また、DSCAMは軸索誘導因子であるNetrin1とも共発現し、これらのタンパク質は直接的な相互作用をしていた。したがって、DSCAMが蝸牛神経の軸索ガイダンスに関与している可能性が示唆された。
|