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2016 年度 実績報告書

マウス頭頚部発癌実験で示唆された、PP6活性異常による、がん体質化のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 15K20237
研究機関地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所)

研究代表者

桃井 勇貴  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 共同研究員 (10750440)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード口腔咽頭科学
研究実績の概要

タンパク質脱リン酸化酵素6型 (PP6)の異常が腫瘍化と関係するのかを、マウス皮膚の発がん実験で証明を試みた。floxed-Ppp6cゲノムをホモに持ち、Cytokeratin14 (K14)プロモーターにより、Ppp6c CRE-TAMが発現するマウスにおいて、タモキシフェン投与により表皮でPP6の触媒サブユニット(Ppp6c)を欠損させるシステムを構築し、2段階発がん実験を行った。イニシエーター (DMBA)一回投与のみで、非常に短期間(約5週間)で腫瘍が発生した。一方、コントロールマウスでは、DMBA一回投与のみでは腫瘍は発生せず、DMBA投与後、プロモーター(TPA)反復投与15週にて、はじめて、腫瘍形成が見られた。したがって、マウスの皮膚において、PP6欠損組織では、強い腫瘍促進状態にある事が示唆された。その原因を解析するために、DMBAを処理したPpp6c欠損皮膚における遺伝子上昇を調べ、IL-1β、IL-6やGM-CSF、GROα、MMP-3の発現上昇が増強されていた。このことから、炎症や細胞の生存の経路が活性化されることが示唆された。同様のことが、頭頸部の発がんでも認められるかどうかを検討した。皮膚発がんで用いたのと同じ遺伝子を有するマウスを用いて、タモキシフェンを腹腔内投与した。舌、咽頭、食道で高頻度にPpp6cの遺伝子が欠損することを確かめた。本タモキシフェン投与マウスにおいては、処理後24週では体重減少が無いことを確認した。このシステムを用いて、TAM投与後に、4NQOを飲料水に20ppmを摂取させ、24週における口腔内および食道の腫瘍発生を調べたが、炎症の所見や腫瘍の形成は認められず、より濃度の高い4NQOを用いた発がん実験を行う必要があることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The protein phosphatase 6 catalytic subunit (Ppp6c) is indispensable for proper post-implantation embryogenesis.2016

    • 著者名/発表者名
      Ogoh H, Tanuma N, Matsui Y, Hayakawa N, Inagaki A, Sumiyoshi M, Momoi Y, Kishimoto A, Suzuki M, Sasaki N, Ohuchi T, Nomura M, Teruya Y, Yasuda K, Watanabe T, Shima H.
    • 雑誌名

      Mech Dev.

      巻: 139 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1016/j.mod.2016.02.001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 発がんプロモーターオカダ酸の標的、PP6の皮膚がん抑制遺伝子としての意義2016

    • 著者名/発表者名
      島礼、黒沢是之、小河穂波、桃井勇貴、井上維、田沼延公、渡邊利雄
    • 学会等名
      第89回日本生化学会大会
    • 発表場所
      宮城県・仙台市
    • 年月日
      2016-09-25 – 2016-09-27

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公開日: 2018-01-16  

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