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2016 年度 実績報告書

CD271を発現する頭頸部癌幹細胞の生存戦略解明と治療戦略への展開

研究課題

研究課題/領域番号 15K20238
研究機関地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所)

研究代表者

今井 隆之  地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 特任研究員 (80408583)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード頭頚部外科学 / 癌幹細胞
研究実績の概要

頭頸部癌の悪性形質の本態として癌幹細胞が注目されている。CD271は下咽頭癌幹細胞マーカーのみならず、頭頸部癌全般における癌幹細胞集団と考えられるが、CD271の機能とがん組織の維持における役割についてはほとんど明らかになっていない。本課題では、CD271陽性頭頸部癌幹細胞の生存戦略を解明することを目的とする。
本年度はCD271ノックダウン細胞株を樹立し、がん幹細胞性を解析した。HPCM2株を用いてノックダウンを行い、シグナル伝達と細胞周期、遊走を調べた。超免疫不全マウス(NOG)に移植したところ、腫瘍形成能がin vitroおよびin vivo両面で消失した。腫瘍形成には、CD271が必要であると考えられた。CD271をノックダウンにより細胞周期がG0にアレストした。さらに、シグナル伝達系を解析したところ、p42/44ERKが減少していた。CD271ノックダウン、およびエフェクター分子と目されるRhoAに対する阻害を行ったところ細胞遊走が抑制された。ERK阻害薬を添加したところ、細胞増殖に対する効果は限定的であったが、細胞周期のG0アレストに重要なCDKN1Cが発現上昇していた。CD271ノックダウンとCDKN1Cを同時にノックダウンしたところ、G0アレストから脱出させることに成功した。以上の結果から、CD271はCDKN1Cの抑制およびERKの活性化によって、がん幹細胞性および細胞遊走などの悪性形質を発揮することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] CD271 regulates the proliferation and motility of hypopharyngeal cancer cells2016

    • 著者名/発表者名
      Mochizuki M. Tamai K. Imai T. Sugawara S. Ogama N. Nakamura M. Matsuura K. Yamaguchi K. Satoh K. Sato I. Motohashi H. Sugamura, K. & Tanaka, N.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 6 ページ: 30707

    • DOI

      10.1038/srep30707

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 頭頸部癌においてCD271は増殖点浸潤を制御する2016

    • 著者名/発表者名
      望月麻衣 玉井恵一 今井隆之 小鎌直子 中村真央 松浦一登 山口臺範 佐藤賢一 佐藤郁郎 菅村和夫 田中伸幸
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2016-12-02

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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