研究実績の概要 |
化合物スクリーニングによって得られた新規SRPK阻害剤を用い、眼軟膏剤を作成した。基剤として白色ワセリンと液体パラフィンを用いた。まず効果を確認するため、化合物10%含有の眼軟膏剤を作成した。眼軟膏剤は経時的な含量低下もなく、室温・光照射下でも安定していた(調整後2週間保存の化合物含量;室温98.8%、冷蔵98.8%、時間あたり1000ルクス照射101.0%)。 c57B/6Jマウスの両眼にアルゴンレーザー(532nm, 150wW, 75μm, 0.1sec)を照射し、脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization; CNV)モデルマウスを作成した。レーザー直後より、1日3回(午前9時、午後1時、午後5時)、7日間、コントロール眼軟膏(基剤のみ)および化合物含有眼軟膏をそれぞれ両眼に点入した。なお眼軟膏の塗布にはマイクロマン(Gilson)を使用し、7μl点入した。レーザー照射7日後、麻酔下に左室よりFITC-Dextran(Sigma)を灌流し、眼球摘出を行った。摘出眼は4%パラホルムアルデヒド液で固定した後、角膜・水晶体・網膜を除去し、フラットマウントを作成した。蛍光顕微鏡(Keyence)にて新生血管を作成し、面積を計測した。なおレーザーにて網膜下出血や硝子体出血を認めた個体は除外した。コントロール眼軟膏投与群(28981+/-2532.8μm2)と比較して、化合物含有眼軟膏投与群(19777+/-1836.6μm2)で有意な新生血管抑制効果を認めた。
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