研究課題
若手研究(B)
多能性幹細胞や体性幹細胞を用いた角膜内皮細胞を用いた再生医療において、その発生および分化メカニズムを明らかにすることは重要である。我々は、新規に同定した角膜内皮前駆細胞を用いて、角膜内皮分化機構の分子メカニズムの解明を試みた。その結果、角膜内皮細胞に高発現する転写因子の一つTFAP2Bがその一因となりうることを分子生物学的に明らかにした。これらのことは角膜内皮の再生医療に重要な知見をもたらすと考えられる。
眼科、再生医療、分子生物学
本研究から、多能性幹細胞を用いた角膜内皮細胞の誘導法において、角膜内皮細胞特異的細胞表面マーカーZP4を用いて誘導角膜内皮細胞の単離及び純化が可能であり、さらに、ZP4はTFAP2Bによって転写制御されることが明らかになった。また、これまで、明らかにされていなかった角膜内皮疾患感受性遺伝子であるCOL8A2の転写制御機構も明らかにすることができた。これらのことから、多能性幹細胞を用いた角膜内皮の再生医療の分野だけでなく、角膜内皮疾患との関連性について重要な知見が得られる可能性がある。