黄斑円孔手術において内境界膜弁翻転法のメカニズムを解明した。サル眼の実験的な黄斑円孔に、内境界膜弁翻転法を行うことにより黄斑円孔の閉鎖過程を組織学的に検討した。内境界膜成分である4型コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンが、ミュラー細胞(MIO-M1)の機能に与える影響について検討した。さらに、ミュラー細胞、およびヒト内境界膜における神経栄養因子の発現について検討した。これらの結果から、黄斑円孔手術の際に内境界膜はミュラー細胞を活性化させミュラー細胞の増殖及び遊走の足場として働くこと、活性化したミュラー細胞から神経栄養因子が発現されることにより、黄斑円孔の閉鎖に寄与する可能性が考えられた。
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