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2015 年度 実施状況報告書

網膜神経節細胞の保護と軸索再生研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K20266
研究機関徳島大学

研究代表者

仙波 賢太郎  徳島大学, 大学病院, 助教 (10745748)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード正常眼圧緑内障 / 神経保護 / Dock3
研究実績の概要

我が国における失明原因の多くは網膜および視神経の変性疾患であり、Quality of Lifeの観点からも大きな社会的問題となっている。日本における最大の失明原因は緑内障であり、40歳以上の有病率は約6%にのぼる。緑内障は眼圧上昇によって網膜神経節細胞(RGC)死とその軸索である視神経の変性が起き、結果的に回復不能な視野障害に陥るものと考えられてきた。しかし本邦では眼圧が正常であるにもかかわらず緑内障症状を発症する正常眼圧緑内障(NTG)が全体の約7割を占めることが判明している。またNTGの中には十分な眼圧降下が得られても病期が進行する症例もあり、治療上の問題となっている。近年では眼圧降下を目的とした複数の点眼薬が新たに発売され、中には神経保護効果を有するものも存在する。しかしその効果は限定的であることから、今後の緑内障治療においては眼圧以外の病態寄与因子の解明や新たな神経保護療法の開発が求められる状況にある。
本研究ではNTGモデル動物を活用して、既存薬を含めた神経保護薬の探索と効果の検討を行う。候補薬については培養細胞における遺伝子や蛋白発現量の変化を、マイクロアレイや生化学的な手法で調べることによって選定する。投与後の網膜変性の状態を光干渉断層計や多局所網膜電図を利用して経時的に観察することにより、客観的なデータの取得を行う。また、Dock3とよばれるグアニンヌクレオチド交換因子には視神経損傷後の軸索再生を促進する効果だけでなく、RGC保護効果も報告されている。現在はDock3のアデノウイルスベクターが使用可能となっており、視神経挫滅後の軸索再生についてDock3による遺伝子治療効果を検討する。選定された候補薬による相乗効果を含めて、できるだけ視神経再生が促進しやすい条件を探索する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

いくつかの神経保護治療に対する候補薬が見つかってきており、NTGモデル動物への投与実験を行っている。
Dock3のウイルスベクター眼内投与を行い、網膜内でのDock3の発現を確認できている。

今後の研究の推進方策

神経保護治療に対する候補薬のNTGモデル動物での効果やその作用機序を明らかにしていく予定である。
視神経挫滅モデルにDock3ウイルスベクターを投与し視神経軸索再生や網膜神経節細胞保護効果を確認する予定である。
また神経栄養因子のウィルスベクターが新たに完成したため、来年度から投与を開始する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of intraocular peroxisome proliferator-activated receptor gamma in patients with proliferative diabetic retinopathy.2015

    • 著者名/発表者名
      Katome T, Namekata K, Mitamura Y, Semba K, Egawa M, Naito T, Harada C, Harada T
    • 雑誌名

      J Diabetes Complications

      巻: 29 ページ: 275-281

    • DOI

      10.1016/j.jdiacomp.2014.10.010.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Brimonidine suppresses loss of retinal neurons and visual function in a murine model of optic neuritis2015

    • 著者名/発表者名
      Guo X, Namekata K, Kimura A, Noro T, Azuchi Y, Semba K, Harada C, Yoshida H, Mitamura Y, Harada T
    • 雑誌名

      Neurosci Lett

      巻: 10 ページ: 27-31

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2015.02.059.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Binarization of enhanced depth imaging optical coherence tomographic images of an eye with Wyburn-Mason syndrome: a case report.2015

    • 著者名/発表者名
      Iwata A, Mitamura Y, Niki M, Semba K, Egawa M, Katome T, Sonoda S, SakamotoT
    • 雑誌名

      BMC Ophthalmol

      巻: 15 ページ: 19

    • DOI

      10.1186/s12886-015-0014-2.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Case of adult-onset Coats’ disease with epiretinal membrane treated with 25-gauge pars plana vitrectomy.2015

    • 著者名/発表者名
      Mino A, Mitamura Y, Katome T, Semba K, Egawa M, Naito T
    • 雑誌名

      J Med Invest

      巻: 62 ページ: 85-88

    • DOI

      10.2152/jmi.62.85.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Changes of choroidal structure after treatment for primary intraocular lymphoma: retrospective, observational case series2015

    • 著者名/発表者名
      Egawa M, Mitamura Y, Sano H, Akaiwa K, Niki M, Semba K, Sonoda S, Sakamoto T
    • 雑誌名

      BMC Ophthalmol

      巻: 15 ページ: 136

    • DOI

      10.1186/s12886-015-0127-7.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 2階調化による正常小児眼の脈絡膜解析2015

    • 著者名/発表者名
      仙波賢太郎
    • 学会等名
      第54回日本網膜硝子体学会総会・第32回日本眼循環学会合同学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-12-04 – 2015-12-06
  • [学会発表] ブリモニジンは正常眼圧緑内障モデルマウスにおける神経変性を抑制する2015

    • 著者名/発表者名
      仙波賢太郎
    • 学会等名
      第119回日本眼科学会総会
    • 発表場所
      さっぽろ芸文館(北海道札幌市)
    • 年月日
      2015-04-16 – 2015-04-19
  • [学会・シンポジウム開催] 2015 AAO2015

    • 発表場所
      ラスベガス(アメリカ合衆国)
    • 年月日
      2015-11-13 – 2015-11-17

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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