研究課題/領域番号 |
15K20268
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
中野 聡子 大分大学, 医学部, 助教 (20593809)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | TRAF6 / ドライアイ |
研究実績の概要 |
TRAF6欠損マウスは、既報のシェーグレン症候群モデルよりも、非常に重篤な角膜ドライアイ病変・涙腺病変を有し、さらに出生時は病変を認めず、徐々に進行し、生後約半年という短期間で重症化することから、より明確かつ短期間にドライアイ重症化の分子機構を明らかにすることが可能であると考えられ評価を行っていた。これまでの予備検討で、TRAF6欠損マウスは、シェーグレン症候群などの自己免疫介在性ドライアイ疾患患者と同様、涙腺に強い炎症細胞浸潤、分泌上皮萎縮を認め、野生型マウスと比較して、涙液分泌量が低下し、角膜では著しい扁平上皮過形成を生じ、上皮下には強い炎症細胞浸潤がみられ、角膜内皮側に多数の血管新生を認めていた。 しかし、平成27年に大分大学動物実験部門BS区域で別系統のマウスが寄生虫汚染を生じ、TRAF6欠損マウスを含む同一飼育場所のマウス全てについても無菌化が必要になった。動物実験部門BS区域の汚染は10ヶ月後に終息した。以前に入手したマウスは寄生虫汚染により、その病態が修飾されていた可能性を考慮し、再度、寄生虫汚染がない無菌化マウスでその病態を評価したところ、以前と同様に涙液分泌量が低下を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年に大分大学動物実験部門BS区域で別系統のマウスが寄生虫汚染を生じ、TRAF6欠損マウスを含む同一飼育場所のマウス全てについても無菌化が必要になった。動物実験部門BS区域の汚染は10ヶ月後に終息したが、無菌化したマウスからの繁殖が困難を極め、またTRAF6欠損マウスの眼病変は高齢マウスに多く発症することから、その間実験用のTRAF6欠損マウスを入手できなかったが、現在になり、必要数を確保できた。
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今後の研究の推進方策 |
さらにマウスの繁殖に努め、全身病変の評価と網羅的遺伝子解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年に大分大学動物実験部門BS区域で別系統のマウスが寄生虫汚染を生じ、TRAF6欠損マウスを含む同一飼育場所のマウス全てについても無菌化が必要になった。動物実験部門BS区域の汚染は10ヶ月後に終息したが、無菌化したマウスからの繁殖が困難を極め、またTRAF6欠損マウスの眼病変は高齢マウスに多く発症することから、その間実験用のTRAF6欠損マウスを入手できなかった。現在、マウス繁殖に努めている。繁殖したマウスを月齢ごとに集め、涙液量測定や免疫染色などを行う計画である。
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