研究実績の概要 |
われわれはまず正常ラットの眼圧測定をトノラボ手持眼圧計にて行った。その後非動脈炎性虚血性視神経症ラットモデルの眼圧測定を行ったが、正常ラットと有意差は認めなかった。またレーザースペックルフローグラフィー(ソフトケア社)にて正常ラット24匹48眼と非動脈炎性虚血性視神経症ラットモデル14匹28眼の視神経乳頭血流を測定した。非動脈炎性虚血性視神経症ラットモデルの作成は、ローズベンガル液を2.5mM、1ml/kgラットの尾静脈に静脈内注射し、左眼の視神経乳頭にアルゴングリーンレーザーを514nmの波長で12秒間照射し、視神経を栄養する微小血管の閉塞を起こすことで作成した。その結果正常ラットにおいて左右眼で血流に有意差なく、非動脈炎性虚血性視神経症ラットモデル急性期および慢性期において有意に左眼の視神経乳頭血流が低下した。 われわれは非動脈炎性虚血性視神経症ラットモデルを作成し、視神経乳頭の眼底写真撮影、蛍光造影眼底検査、spectral domain OCT iVUE-100(Optovue Inc, CA. USA)による光干渉断層計を用いた網膜神経線維層厚の測定、蛍光顕微鏡を用いた網膜神経節細胞数の測定、網膜電図や視覚誘発電位の測定にてラットモデルの評価をすでに行なっているが今回レーザースペックルフローグラフィーにおいて非動脈炎性虚血性視神経症ラットモデルの視神経乳頭部の血流が低下しているとの結果により、in vivoでの血流低下を示すことができたと考えている。 その後正常眼圧緑内障ラットモデルを作成するために、虚血性視神経症作成時より軽度の視神経乳頭血流障害を誘発する目的で、ローズベンガル液の量およびアルゴングリーンレーザーの照射時間を調整しその後レーザースペックルフローグラフィーにて血流測定を行ったが、現時点で正常眼圧緑内障ラットモデル作成に適切な方法の発見には至ってない。
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