• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

iPS細胞を用いた網膜色素上皮細胞のCMV抗原特異的な免疫応答と恒常性維持の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K20271
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

小林 敬広  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00708745)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード造血幹細胞 / iPS細胞 / HLA
研究実績の概要

本年度の研究は、まずARPE-19細胞と造血幹細胞のHLAの型判別を行った。キットを用いたPCRの結果、HLA-A型およびHLA-C型で一部一致の可能性があることがわかった。通常キラーT細胞による免疫は、HLA型が自己と違う場合、非自己と認識して排除する機能がある。そのため、HLA型の違いによるミスマッチが起こる可能性が考えられたので、末梢血単核球および造血幹細胞を用いたiPS細胞の作製を行った。この細胞に適切なサイトカインを添加培養し、網膜色素上皮細胞および造血幹細胞への分化誘導を行った。これにより同一のHLAを持つ各細胞が準備出来たので、HLA型の違いによる排除機能を回避できる。現在はこの網膜色素上皮細胞にHCMVの抗原であるpp65を抗原提示するように研究を行っている途中である。
また、購入およびiPS細胞から作成した造血幹細胞をNOGマウスに移植して、細胞が定着・分化するかどうかを経過観察している途中である。NOGマウスにヒトの造血幹細胞が定着することで、ヒトの免疫系を持つマウスを得ることが出来る。このマウスにHCMVの感染および潜伏感染細胞を移植することで、in vivo でのHCMVに対する免疫応答を解析することが可能になる。これにより、生体内での網膜色素上皮細胞が抗原特異的に炎症反応あるいは免疫寛容を誘導しているかどうかを解析することが可能になると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HLAの型判別の結果、ミスマッチが起こる可能性があるためiPS細胞の作製にとりかかった。しかし、次年度以降に予定していたNOGマウスへの移植を前倒しで開始した。初年度の計画は、当初の計画通り進んでいないが、次年度以降の研究を先に進めていることから、ほぼ進捗状況は同じだと考えられる。

今後の研究の推進方策

iPS細胞から分化誘導した網膜色素上皮細胞と造血幹細胞を用いて、CMV抗原を提示した網膜色素上皮細胞とT細胞を共培養することで、網膜色素上皮細胞が抗原提示細胞として、それぞれキラーT細胞および制御性T細胞への分化誘導能を持つかどうか解析する。
またNOGマウスにiPS細胞から分化誘導したRPEと造血幹細胞を移植しヒト化させ、分化誘導させたT細胞を用いて、CMVに対するRPEの目の恒常性維持のための免疫応答を解析する。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画から変更し、iPS細胞の作製および培養、造血幹細胞の購入と維持培養を行ったため、抗体や遺伝子導入試薬、ELISA kitの購入を次年度以降にした。さらにディスポーザブル器具については他の講座運営費で賄われたため計上を見送った。

次年度使用額の使用計画

当初予定していた遺伝子導入およびフローサイトメーターによる解析、培養上清のELISAによる解析、NOGマウスの飼育管理およびウイルス感染・細胞移植、造血幹細胞およびiPS細胞の培養を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヒトサイトメガロウイルスの潜伏感染マーカーUL138の継時的検討2015

    • 著者名/発表者名
      小林敬広,野本芽衣,腰塚哲朗,生田和史,石岡賢,錫谷達夫
    • 学会等名
      第69回 日本細菌学会東北支部会
    • 発表場所
      福島県郡山市
    • 年月日
      2015-08-21 – 2015-08-22

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi