サイトメガロウイルス(CMV)感染は生涯に渡って潜伏感染を持続するが健常人には疾患を起こさない一方で、胎児に感染した場合や重度の免疫不全患者には日和見感染症として致死的な疾患を起こす。そこで、CMVの感染ターゲットとなる網膜色素上皮細胞あるいは造血幹細胞の感染モデルを用いてCMV特異的な免疫応答と恒常性維持のメカニズムを検討した。本研究によって、網膜色素上皮細胞はCMV感染による眼内の恒常性を保つために、T細胞を遊走させウイルスに対する免疫応答を誘導することで感染細胞の排除をする一方で、過剰な炎症反応による眼内の濁り等を抑制するために制御性T細胞の分化を誘導していることが示唆された。
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