研究実績の概要 |
[方法](1)野生型マウス(C57BL/6、n=5)とTRPA1欠失マウス(n=5)を用いた。レーザー照射14日後に血管造影を行いApo Tome.2(ZEISS)蛍光顕微鏡でフラットマウント法を用いて撮影し、CNVの面積をコンピューターソフトウエアWinROOF(三谷)で解析した。(2)野生型マウスを用いて、レーザー照射3,5,7日後におけるTRPA1の発現を免疫組織学的に検討し、PECAM-1(血管内皮細胞マーカー)との共局在の有無を検討した。(3) 野生型マウス(n = 20)およびTRPA1欠失マウス(n = 20)を用いた。レーザー照射(25spot)1日後に脈絡膜組織からRNAを抽出し、MCP-1、TGFβ-1、MPO、VEGF、F4 / 80、IL-6およびαSMAについてRT-PCRを行った。(4)培養HUVECを用い、96wellで培養液中にTRPA1アンタゴニスト(HC-030031:10μM)またはアゴニスト(AITC:10μM)を添加後7日間培養し、VEGF-A(10ng/ml)刺激後、アラマーブルーを添加し、30、60、90、120、150、180分時の吸光度を測定し細胞増殖を評価した。 [結果] (1)野生型マウスに比べTRPA1欠失マウスにおいてCNVは有意に抑制されていた(P<0.05)。(2)野生型マウスにおけるレーザー照射後の TRPA1は、レーザー照射3日後ではCD31と局在は一致しなかった。レーザー照射7日後では一部局在の一致を認めた。(3) 野生型マウスに比べTRPA1欠失マウスにおける脈絡膜組織では、TGFβ-1のmRNA発現を有意に抑制した(p<0.05)。 (4)アンタゴニスト、アゴニスト投与でHUVECの増殖に影響はなかった。 [結論]TRPA1シグナル制御によりCNVを抑制できる可能性がある。
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