TFTモニターをベースとするOCTOPUS600視野計には、M-Cell系を刺激し極早期緑内障を検出することを目的としたPulsar視野と、視標のダイナミックレインジを維持するために低輝度と高輝度領域において視標の大きさを変えながら計測するサイズ変調視野が搭載されている。Pulsar視野およびサイズ変調視野においては本邦における臨床データはなくその有用性は証明されていない。本研究では、Pulsar視野の早期緑内障検出力およびサイズ変調視野24-2と10-2の有用性を検証した。 Pulsar視野の早期緑内障検出力は、同じくM-Cell系を刺激するFlicker視野および光干渉断層計と比較すると、通常の視野検査では異常が検出されない極早期緑内障では光干渉断層計よりも劣るものの、早期緑内障では光干渉断層計と同等かそれ以上であった。またPulsar視野と光干渉断層計の両方の結果を考慮して診断した場合、検出力はさらに向上することが明らかとなった。 サイズ変調視野は、通常の静的視野検査のスタンダードであるHumphrey視野計の24-2および10-2と比較した。OCTOPUS600視野計とHumphrey視野計の24-2および10-2の比較においては測定アルゴリズムに違いがあるものの、その結果の一致性は高く、サイズ変調による測定の影響は少ないことが明らかとなった。 以上の結果からモニターベースとする視野計の臨床的有用性が証明され、今後病院やクリニックでしか行えなかった視野検査がモニターを介して行える可能性が示唆された。
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