研究課題/領域番号 |
15K20282
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小橋 英長 北里大学, 医学部, 助教 (40525325)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 前方散乱 / 後方散乱 / 高次収差 |
研究実績の概要 |
H27年度内に実施した研究課題として、「眼疾患における高次収差と前方・後方散乱の定量的検討」(H27年度分)と「ドライアイにおける前方散乱の動的変化と眼表面に及ぼす影響の経時的検討」(H28年度分)がある。 まず、「眼疾患における高次収差と前方・後方散乱の定量的検討」(H27年度分)に関しては、角膜内皮移植の矯正視力・視機能に対しては高次収差よりも前方散乱が主に影響を及ぼすことが分かった(Kamiya, Kobashi et al. Plos One. 2015)。同様に顆粒状角膜ジストロフィに関しても前方散乱視機能低下の主たる原因であることが分かった(Kamiya, Kobashi et al. Sci Rep. 2016)。 次に「ドライアイにおける前方散乱の動的変化と眼表面に及ぼす影響の経時的検討」(H28年度分)に関してもは通常のドライアイ患者と屈折矯正手術後のドライアイ患者に対して、前方散乱を動的に計測したところ、経時的に前方散乱の増大を認めた。さらにジクアホソルナトリウム点眼液とレバミピト点眼液を用いた加療後には前方散乱の増大が抑制され視機能改善を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
症例データの収集・解析及び研究成果発表が順調であることから、H27年度の計画が概ね終了し、H28、H29年度の計画に着手している。そのためH29年度に予定していた学会発表や論文投稿をH28年度に早めて実施するため、予算を前倒し学会出張の旅費や論文投稿費、英文校正費に充てる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度内には、治療的角膜切除術、角膜全層・内皮移植術を施行した20例20眼に対して、高次収差、前方・後方散乱、眼球光学特性、コントラスト感度を測定し、術後1週、1, 3, 6か月における高次収差、前方・後方散乱の経時変化を検討することで、各眼科手術による視機能への影響を明らかにする。 H29年度内には、正常眼、涙液破壊時間短縮型ドライアイ、涙液減少型ドライアイの各群20例20眼に対して、OQASのTear film Analysisの機能を用いて前方散乱OSIの10秒間の動的変化を測定し、Optical Coherence Tomography (OCT)から得られる涙液層の厚み、涙液メニスカス高、また涙液破壊時間、シルマーテストI法、角膜フルオロセインスコアの各パラメーターとの相関を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
統計解析用及び画像解析用ソフトウェアの購入がアカデミック版を購入したために、安価にすることができた。また英文校正費に関しても修正箇所が少なかったため安価にすることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
H28年は海外学会を複数回予定しており、旅費の増額が予想されそれに補填する予定である。
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