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2015 年度 実施状況報告書

CCL3-CCR5ケモカイン経路に着目した網膜変性における新規治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K20288
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

神野 英生  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60514536)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード加齢黄斑変性 / 網膜色素変性症 / 炎症 / マイクログリア
研究実績の概要

加齢黄斑変性や網膜色素変性などの網膜変性疾患は視細胞の細胞死(視細胞死)を生じ失明に直結する難治性疾患である。視細胞は一度ダメージを受けるとその後の再生は不可能であることから、網膜変性疾患の治療においてはどのようにして視細胞を保護していくのかを検討していく必要がある。しかしながら、現在までに視細胞を直接に保護する治療戦略は開発されておらず、新たな方法を検討しなくてはならない。本研究の目的は我々がこれまでに検討してきた網膜局所炎症の視細胞死への影響、特にCCL3-CCR5ケモカイン経路に着目し新たな視細胞保護を狙う治療戦略を考案することである。
ケモカインはマイクログリアを含む炎症細胞を遊走させるサイトカイン群である。我々の検討によると光障害誘導急性網膜変性においてMacrophage inflammatory protein (MIP)-1ケモカインに含まれるchemokine (C-C motif) ligand 3 (CCL3) およびCCL4は他のケモカインに先駆けて上昇した。このことはこれらMIP-1ケモカインが網膜内炎症カスケードの引き金となっている可能性を示唆している。
Chemokine (C-C motif) receptor 5 (CCR5)はCCL3およびCCL4の共有レセプターである。また、HIV(human immunodeficiency virus)感染症においてHIV に高度に暴露されているにもかかわらず,HIV に感染しないという特異な症例でCCR5 の遺伝子多型(CCR5Δ32 欠失)が発見されたことからHIV感染症治療の創薬ターゲットとして知られている。マラビロクは経口投与可能なHIV侵入阻害薬として承認されたCCR5を標的とする抗HIV薬である。我々はCCR5をマラビロクを用い薬物的に阻害することが網膜変性疾患における新規治療戦略となりうるのかどうかを検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画通りにマイクログリア/マクロファージの可視化が可能なMertk-/-Cx3cr1GFP/+Ccr2RFP/+マウスを作成しその解析を終了した(Kohno h et al. JNI 2015
)。当マウスを用いマラビロクの治療効果を検討中である。

今後の研究の推進方策

Cx3cr1GFP/+Ccr2RFP/+マウスの骨髄細胞を採取し、マクロファージへと分化させ試験管内でのマラビロクのマクロファージ系細胞に対する効果を直接観察していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Expression pattern of Ccr2 and Cx3cr1 in inherited retinal degeneration.2015

    • 著者名/発表者名
      Kohno H, Koso H, Okano K, Sundermeier TR, Saito S, Watanabe S, Tsuneoka H, Sakai T.
    • 雑誌名

      J Neuroinflammation

      巻: 12 ページ: 188

    • DOI

      10.1186/s12974-015-0408-3

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Association between the major histocompatibility complex and clinical response to infliximab therapy in patients with Behçet uveitis.2015

    • 著者名/発表者名
      Kuroyanagi K, Sakai T, Kohno H, Okano K, Akiyama G, Aoyagi R, Inaba M, Tsuneoka H.
    • 雑誌名

      Jpn J Ophthalmol

      巻: 59 ページ: 401-8

    • DOI

      10.1007/s10384-015-0404-2

    • 査読あり
  • [学会発表] 網膜変性における炎症と視細胞細胞死の関係2015

    • 著者名/発表者名
      神野 英生
    • 学会等名
      第49回日本眼炎症学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2015-07-11
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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