研究実績の概要 |
本研究では、角膜血管リンパ管新生におけるICOS/B7RP1の役割を解析し、この分子の機能調節による血管リンパ管新生をともなう角膜炎症の治療法の確立を目指す。 角膜炎症モデルを作製するため、W/T BALB/cおよびICOS KO BALB/cの角膜中心部より1mmの位置に11-0ナイロン糸を用いて1箇所縫合。各々に手術用顕微鏡を用いて血管新生の有無および角膜血管新生臨床スコア(図4)を観察し、ICOSの有無にともなう血管新生を臨床的に評価。さらに組織学的、免疫組織化学的な解析を行うため、以下の方法で解析を行った。観察および角膜眼球摘出は手術後0, 3, 5, 7, 10および14日目にて行う。いずれの実験もN=10以上とし、有意差を統計学的に検定した。 ICOSが組織学的にどのような役割をしているか調べるため、それぞれの角膜眼球を摘出後、切片をヘマトキシリン-エオジン(H‐E)染色し、血管リンパ管と角膜への浸潤細胞に関して組織学的な解析を行った。 ICOSによる角膜への血管およびリンパ管新生退縮への影響を免疫組織化学的に調べるため、血管リンパ管新生を経時的に解析し、BD rat anti mouse CD31およびAnti ratIgG FITCを用いて血管内皮を染色し、Reliatech rabbit anti mouse LYVE-1およびAnti rabbit IgG CY3を用いてリンパ管内皮を染色し免疫組織化学的な解析を共焦点顕微鏡下で行い、ICOS陽性(W/T)マウスとKOマウスで比較した。また血管リンパ管新生の定量解析を行うため、蛍光顕微鏡画像をImageJソフトを用いて解析し、角膜の全面積における血管新生の面積の割合を統計学的に比較検討した。
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