研究課題
血管内皮におけるPPARαを介する抗糖尿病のメカニズムに関しては、前年度までに細胞を用いた実験にて検討していたため、最終年度ではinvivoの実験を行った。ラットにストレプトゾトシンを投与し糖尿病を発症させ、そこにPPARαリガンドを投与し各実験を行った。結果、糖尿病ラットではコントロールのラットと比べ、網膜血管への単球接着、血管透過性が亢進するのに対し、PPARαリガンドを2週間内服させたラットでは、網膜血管への単球接着、血管透過性亢進が抑制されていた。次にこれらの作用が、以前行っていたin vitroでの実験で検証した、PPARαがトロンボモジュリンの発現することによって抗炎症作用が得られることをin vivoで確認するために、トロンボモジュリンのSiRNAを眼内へ投与し、眼内のトロンボモジュリンをノックダウンした状態で実験を行った。その結果、トロンボモジュリンをノックダウンした場合は、PPARαリガンドを投与しても網膜血管への単球接着、血管透過性亢進の抑制が得られず、抗炎症効果が得られなかった。よって、in vitroで発見したPPARαがトロンボモジュリンの発現を亢進することによって抗炎症作用が得られるというメカニズムを、in vivoでも確認することができた。現在、これらのデータをまとめて、論文を作成中である。
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Eye
巻: - ページ: -
10.1038/eye.2016.263.
眼科手術
巻: 29 ページ: 477-481